⑤ 弓か茶か
高校三年生の頃、学部を決めるという進路以上に真剣に考えていたことは何部に入るかということでした。
当時、私は、禅宗に凝っていましたので、それに関連する道を選びたいと思っていました。
歴史小説の中でも、平安から鎌倉時代初期、戦国時代から江戸時代、明治維新の時期がお気に入りでした。
特にこの頃は織田信長、豊臣秀吉に関心があり、千利休の茶道に興味を覚えました。
さらに、オイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』や大森曹玄の『剣と禅』などを読み、弓道も捨てがたく
なっていました。
茶道を選ぶか、弓道か、しばらく悩んでいましたが、大学が決まり、見学に行ったことで
簡単に決まりました。大学に前の学長が京都から移築した「暮庵」という茶室があり、
活動も活発でした。さらに部内の男女の数もほぼ半々で、これならばできそうと直感で
感じました。毎週、熱心に指導してくださる先生も私の実家の近くで両親が知っている方
でした。いろいろな偶然が重なり、茶道を学び、このときから20年ほど続く、趣味となりました。
茶道を学んだことで身についたことは非常に多く、私の人生を豊かにしてくれました。
引退後は再び、茶道を再開したいと考えています。
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