人生の節目にキャリアコンサルタント

転機⑥ 就職活動

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転機⑥ 就職活動

順調に4年生に上がり、就職活動を開始。今と違い大学にはキャリアセンターの前身である就職相談室がひっそりとありました。私は、就職について情報が何もなく、面接がいかなるものかも分かっていない状態でした。ゼミの仲間の情報と茶道部の先輩の情報、リクルート社が分厚い情報誌を登録すると送ってくれる、そんな時代でした。私自身やりたい仕事のイメージがなく、会社組織の部署の役割も分かりませんでした。大学3年生の時に2日間だけゼミの仲間に誘われて文房具を販売するアルバイトを経験したことがありました。お客様とのやりとりが楽しく、夢中になって売った経験から、漠然と営業は自分に合っているかもしれないと思う程度でした。
あるコンピュータの講義を担当されていた民間企業出身の先生は、他の先生と少し雰囲気が違っており、相談してみると、知り合いの企業を紹介してくれる、とのこと。面接を2回受けて先生の推薦のおかげで、あっさり決まってしまいました。ホッとして夏が過ぎ、コンピュータの仕事について考えていました。「このままでいいのだろうか?」という疑問がチラホラ頭を過るようになってきました。9月に他も受けてみようと会社四季報を買ってきて検討を開始。ようやく業界に目を向け始めました。
いろいろな業界がある中で、「これだ!」と思ったものが「光ファイバー」でした。これからは電話だけでなく通信は変わる、人のコミュニケーションの仕方を変える仕事だ、と思えるようになりました。無謀にも、コンピュータの先生に謝って内定を辞退させていただき、就職活動を再開しました。
10社程、面接を受けたい旨の書類を送りました。その中で1社だけ面接に通り、午前中に試験、午後に面接を受けることになりました。30名ほどの文系の志望者が集められていました。このとき一次面接を担当してくれた方が、後に人事部長になる星野さんでした。私のいいところを引き出してくれる、どんどん場の雰囲気が熱くなる体験をしました。この面接のことはよく覚えています。後日、二次面接を受け、内定をいただくことができました。その結果を電話で受けたのですが、興奮する程うれしかったことを覚えています。
今の学生さんには笑われる程準備不足の就職活動でしたが、2社から内定をいただき、その後の心の動きがまったく違っていました。先の会社のときは安心をして、2社目では達成感がありました。私には、この差が大きく思います。人から与えられたものと、自分で選択して勝ち取ったものの違いでしょうか。
4月から長くお世話になった安藤電気株式会社に入社して社会人として生きていく、新たなステージに進むことができました。