十牛図にみる成長の奥深さ

北宋の時代、廓庵という禅僧が作成したという悟りのプロセスを絵に著したものが「十牛図」
です。「牛」が真の悟りそのもの、悟りを得ようとする自分を「童や牧人」に例えて絵は
描かれています。

簡単に表すと、まず、悟ろうと志しますが、すぐに牛は見つからない。学んでいるうちに
足跡を見つけ、探し回り、ようやく牛を発見。牛に縄をかけてなんとか馴らそうと奮闘
します。その後、努力の甲斐あり、牛はおとなしくなり、その牛の上に乗って笛を吹き
ながら家に帰ります。

面白いのは、ここで十番目でなく、まだ六番目なのです。七番目の絵は「忘牛在人」で
牛（つまり悟りや悟ろうとしたこと）を忘れます。次は、「人牛倶忘」で人も牛も忘れて
しまいます。さらに「返本還源」ではありのままの世界を受け入れ、最後の十枚目は
再び世俗に入り、人々と分かち合うというものです。

七枚目の絵から後は牛は出てこないのです。
カウンセリングも、いいカウンセラーになろうとしているときは、まだまだでその先に
実に深い世界が待っていると私は信じています。私もまだまだ三枚目か四枚目で日々
振り返りをしている段階ですがこれから先、どこまで進めるか楽しみにしています。

皆さんも一緒に楽しんでみませんか？